HIS研究発表会 2004年春

in山陰(主幹:母と子の長田産婦人科クリニック)

テーマ『HISの原点にかえって明日を模索する』

サブテーマ『患者様の待ち時間を有効に短縮するには』

発表者:佐藤 梢

こんにちは。ごきそレディスクリニック受付事務の佐藤です。
今回のHISは、「原点にかえって明日を模索する」がテーマです。
私たちは、体調が悪くて受診されている患者様への一番のサービスは「おまたせしない」&『待ち時間を快適に』と考えました。
「おまたせしない」については現状の平均待ち時間60分を
半分以下にしたい!と目標をたてました。
診察時間を短縮せずに待ち時間を減らすには。予約診療システムを導入することだと考え、当初(2000年4月)は妊婦検診のみを院内のデータベースで予約管理してみました。その結果妊婦検診の患者様の待ち時間は大幅に短縮することができました。
そこで一般外来の患者様も予約システムを活用することにより待ち時間を短縮することは可能であると思われました。
しかし従来の院内DBでの予約管理は電話や受付窓口で予約をとる方法で、狭い院内にPCを何台も置くわけにもいかず、事務作業が煩雑になりスムーズな診療から遠ざかってしまします。

そこで一般外来の患者様も予約システムを活用することにより待ち時間を短縮することは可能であると思われました。
しかし従来の院内DBでの予約管理は電話や受付窓口で予約をとる方法で、狭い院内にPCを何台も置くわけにもいかず、事務作業が煩雑になりスムーズな診療から遠ざかってしまします。
そこで、携帯電話やインターネットから予約できるシステムはないかと考え、システムを探すことにしました。(2001年4月)
当時は今のようにブロードバンドの環境が整っておらず、レンタルサーバーを利用してのシステムが主流で、コスト面やセキュリティーに疑問を感じるシステムが多く、なかなか導入に踏み切れずに、3年の月日が流れてしまいました。色々なシステムを模索しているうちに、ブロードバンドの普及もあって、とあるシステムにめぐり合い昨年9月から導入することにしました。HIS会での情報交換のおかげでもあります。インターネットでパソコンや携帯電話で患者様がご自身で予約をとるシステムです。
方法:平成16年4月10から7日間に外来病客となられた800名にアンケート用紙をお渡しして自宅にて書いていただいて返信をお願いしました。378名のお返事を頂きました。有効回答率47.3%です。
平均年齢34歳(やはり30歳から35歳が多いです。)
表をご覧下さい。導入前の平均待ち時間は、60.5分でした。
導入後は30.37分と、明らかに待ち時間が短縮できています。
49.21%削減することが出来ほぼ目標どおりの結果がえられました。特に受付から診察までの時間が短縮できました。
待ち時間を長いと考える方はたとえ15分でも長く感じられています。以前の待ち時間が60分。長い方で1.5時間とあり反省させられます。
特に患者様がイライラさせれるのは診察後の待ち時間です。小さなクリニックのメリット生かしカルテを速やかに回していくよう心がけています。予算があれば、オーダーリングシステムや電子カルテも考えていきたいと思っています。

次に、予約システムが上手く広報できているかです。
情報があっても利用数が少なく一考です。
しかしながら、利用された方の満足度は良いです。
予約時間は無理なく設定しました。
一日のうち、混雑する時間帯の予約枠を少なめに、
比較的すいている時間帯の予約枠を多めに設定することにより
来院時間帯を均一化させることが出来ました。
又、予約していただくことによりカルテの準備は前日しっかりでき、予約の患者様をお待たせしないようにできます。
検査結果の確認等々速やかに行います。予約の初診の方は、受付で問診を事前の書いておいて貰います。それに基づき細き、問診を看護師が行い医師の診察となります。再来の方はカルテがあるのでアレルギーなど確認で済み簡単です。予約でない方が必然的にだいぶ待つ事になります。
この予約システムには待ち順を確認していただけるパネルがあり
窓口ではご自分の待ち時間がだいたいどのくらいになるかをお伝えするのも大変は業務の一つでしたが、問診後看護師が待ち時間のパネルの場所をお伝えし「だいたい30分です。お待たせして申し訳ありません。一旦外に出られるなら受付にお伝えください。」とお伝えします。ここはソフトである看護師の笑顔が大切です。
次に、待ち時間を快適かつ有効にですが
アンケートによると30分以内なら院内で30分以上なら院外に出られる方がおおいです。
そこでご近所マップを作りました。スタッフ色々考えて調査しました。安産のために「万歩歩こう」と指導しているので歩数もチェックしました。
以前はごった返していた待合室が落ち着いてきました。古くからの患者様には特にお褒めの言葉をいただいています。

 

次に30分の待ち時間を、院内でどうすごしていただくかです。
BGM,マイナスイオン発生器、おっぱい育児などの教育図書、雑誌(特にタウン誌)が人気です。
BGMは、一般的な有線放送は使用せず、スタッフでチョイスしたCDを流しています。放送機材も音楽専用の物を待合室には設置しました。
子供のためのプレーコーナーもあり、保育士でもある事務長が絵本やおもちゃを管理してくれています。子供たちはココで親に見守られながら始めて会う子供と遊ぶのが好きです。多分お互い兄弟が増えるの知っているようです。
分娩や緊急時外来が一旦中断するのは、産婦人科開業医ではある程度仕方ないことです。

患者様には分娩などの理由で診察が遅れていることを告知することによって、ある程度のご納得をいただけると思いました。
待合室のプラズマディスプレイに流しているインフォメーションに割り込み送信で分娩中ですとか女の子が生まれましたとか案内します。吹き抜けの2回分娩室での産声に待合室での歓声が上がることもあります。小さいメリットですね。

加えて、現在待ち順確認パネルに遅延時間を表示できないか検討中です。

ソフト面でも看護師や受付スタッフが御菓子を持って回りにこやかにお詫びして回っています。全くの緊急で一旦外来をストップしなくてはならないときは休憩時間等に予約を入れて差し上げています。

 

問題点:予約制の導入後一端、総患者数が減ったり、予約の問い合わせ電話で受け付け業務が煩雑な時期もありました。 
待つ事3ヵ月。このごろは御自分で予約されてきてくださる方が増えてきました。外来病客数も少しずつ持ち直してきています。
これから:この予約システムの良いところとしてもうすぐコールという携帯電話でご自身の診察が近くなったらメールが届く仕組みがあります。アンケートによるとあまり理解されていないようです。利用された方の90%が容易と答えてくださったので広報活動をしっかりやって有効に活用したいです。
このように『優れたシステムの活用』と『暖かみのある人的サービス』を屈指して患者様満足度の向上に勤めていきたいと思っています。