HIS研究発表会 2006年10月29日

in埼玉(主幹:恵愛病院)

テーマ『心温まる医療サービス』

発表者 石澤

@ こんにちは、ごきそレディスクリニックの准看護師の石澤です。

現在高等看護学生です。

A ごきそレディスクリニックは赤ちゃんに優しい病院です。

赤ちゃんとお母さんにとっての心温まる医療とは何であるかを考えました。

そして技術も未熟な私には、なにができるかを考えました。

今回、退院時に行っているアンケートに「授乳指導の言葉がけ」で悲しい

思いをしたことがあるとの意見を受けて、私達にできることを探そうと

思いました。

B 患者様が何を求めているのか知る為に、1ヶ月検診の終わっている

お母さん方に、アンケートを実施しました。

C 対象は2005年1月〜2006年7月31日までに当院で出産された

555組のお母さんと、御家族を対象に郵送形式で行いました。

有効回答率は31.5%という高い返信を頂きました。

アンケートの内容は入院中の母乳育児に関わる事23項目です。

母乳育児についての感想や、家族とのかかわり、夫とのかかわり、

入院中に思った事等を伺いました。

頂いたアンケートをスタッフ全員で読み、話し合いました。
アンケート結果を部門別に分けスタッフの通信簿をつけてみました。

そこで分かった事はどの部門も良い点と悪い点があることでした。

一番多かった回答は「忙しいかもしれないけれど、もっと優しく丁寧に説明して

欲しかった」と言う言葉でした。

今回のアンケートで注目すべき点は良い言葉がけと共に、

嫌だった言葉がけが、非常に多く集まったことです。

そこで、入院中にスタッフから受けた、「うれしかった言葉」

「嫌だった言葉」を羅列してみました。

その中には何気なく発した言葉もあり、日々気をつけなければならないと

反省しました。

 
また、アンケートから分かったことの一つとして患者様がうれしかったことは、

すぐれた医療技術や医療機器だけでなく、スタッフの笑顔や優しい言葉がけだと

いう事です。そして、言葉は何年経っても忘れないのだと驚きました。

そこで言葉や態度の重要さを患者様の立場で体験してみることにしました。
先輩助産師と、実際出産経験のあるスタッフと、今回のアンケートを基に、

ロールプレイをする為の台本を作りました

実際にロールプレイをしているところをご覧下さい。

 良い言葉かけの例です。

嫌な言葉かけの例です。
次にロールプレイをスタッフ全員で行いました。
ロールプレイの結果は対児感情尺度で検証しました。
これが実際のスタッフの体験レポートです。

温かい言葉をかけられると赤ちゃんを抱きしめて愛おしく思い、おっぱいを

飲ませたくなります。

嫌な言葉をかけられるとむっとして、悲しくなり、この看護婦さんは

呼びたくなくなります。

その結果から嫌な言葉をかけられると赤ちゃんへの思いは回避的になり、

良い言葉がけをされると赤ちゃんへの接近感情が高くなるという事が数字的にも

実証されました。

私が自分で体験してみて、タッチケアや同じ目線で声かけをして

もらうことで、安心して話をすることができました。

しかし上からの目線で物を言われると自信がなくなり言葉が出なくなることを

体感することが出来ました。

また、同じ言葉でも、場面や受け取る人の個性、置かれた立場でも与える影響が

変わってくることもわかりました。

お母さんから寄せられたメッセージに「忙しい」と言う字は「心を亡くす」と

書きます。というのがありました。

私は、短い時間でも同じ目線で患者様と話をすることに心がけたいと

思いました。

これからも、可愛い赤ちゃんとお母さんに励まされてがんばっていきたい

と思います。

今回の発表に協力していただいたお母さん方、先輩スタッフの皆さんに

感謝します。

ご清聴ありがとうございました。