HIS研究発表会 2005年春

in長崎(主幹:八木産婦人科)

テーマ『やればできる!』
問題解決への工夫と努力

発表者:伊藤 玉美

やればできる。
こんにちは。ごきそレディスクリニック看護助手の伊藤です。
アテンダントの高木です。
今日は私たちのクリニックでの母乳育児の取り組みをお伝えします。
ごきそレディスクリニックは2001年8月赤ちゃんに優しい病院の認定を受けました。この認定のためにはWHOユニセフの10か条を産科施設として、とりくんでいる事が条件です。
2001年認定の時には私もスタッフとして働いていましたが、「赤ちゃんには母乳が一番」ということしか知りませんでした。そして授乳指導は看護師さんと助産師さんの仕事だと思っていました。
HISに参加するようになって、たくさんの病院見学をさせていただいたことで、産科施設を動かしているのは看護スタッフだけではないことがわかりました。
今回HISのテーマが「やればできる」なので、看護助手である私も、頑張って,データーベースに書き込んでみました。
まず出勤したらPCのデーターベースで入院患者様の状況と掲示板を確認します。
産科施設では、一同に集まるのは難しいので、この掲示板が役立っています。今日一日の流れをペアと打ち合わせをします。
このデーターベースで、「10か条のクロストレーニングをしよう」と天瀬先生のところからの帰り道、皆で考えました。
患者様の外来通院に始まり、入院されてから無事ご退院して頂くまで、私たちは色々な場面で関わっています。産科施設のスタッフとして各部署とどのように関われるかを学びました。
まず、外来スタッフです。外来スタッフは母乳育児のモチベーションを高めるためのクラスを担当しています。ここでは看護助手の私たちはクラスの準備を手伝います。
私たちは、クラスに通われる、お腹の大きな妊婦さんにあったら、「お散歩頑張っていますか?おっぱいのお手入れは大丈夫ですか?楽しみですね。」と声かけができます。
「励ましあっておっぱいの会」も外来スタッフが受け持っています。
土曜会は、現在育児休暇中のスタッフが親子で来て開催しています。
木曜会には、当院ではお産されなかった方も見えます。声かけや準備も考えて行います。
受付スタッフには、診療時間中に問い合わせがたくさんあります。10か条の勉強をすることで、自分の言葉で、クリニックの姿勢を伝えられます。
私たち看護助手は朝一番、患者様が待合室で気持ちよく待っていただくために環境整備をしています。待ち時間でも「いつでもどこでもおっぱいを」です。
ばぶママさんです。当院で母乳育児をした先輩ママスタッフです。プレママや、授乳中のママのピアカウンセラーとしてはたらいています。
母乳の勉強会にも、一緒に参加します。退院後のママに「めぐみさん頑張って いますね。」と自然に声かけができます。
病棟です。看護スタッフが授乳指導に専念できるように、オムツやベビー服の在庫チェックや洗濯物の確認をします。
毎日お部屋の環境整備をします。お祝いのお花を届けます。
すべて授乳の邪魔にならないように、又、個室でお母様たちが孤立しないよう関わっています。赤ちゃんのお口の開け方、ポジショニングは看護スタッフと一緒に勉強会に参加しているので指導できます。
「少しクッションをかってみたら楽かな。」とか「ドナルドダックのお口になっているかしら?」 「足置きの高さはどうかしら?」むずかしそうなママには「看護師さんをよぼうか?」と、かわいい新米ママに身近な存在として関わっています。「娘のおっぱ いだけで大丈夫かしら?」と家族からの質問にも、「月満ちて生まれた赤ちゃんはお弁当と水筒を持って生まれてきているから大丈夫」「ちゃんと必要なら、医学的管理の下で糖水やミルクの処方が出ますよ。」と安心してもらえるようお伝えできます。
「何時でもどこでもおっぱいが上げられるよう」に、ルームアテン ダントと力をあわせて環境整備をしています。
ルー ムアテンダントは、母乳だけでやっていけるか不安の家族のサポートも引き受けています。おしゃべりの中で、直接看護スタッフに伝えにくいことも伺うことができます。
一緒にタンポポ茶などのハーブテイーをおやつに薦たり、ショップの母乳育児グッズの紹介をします。かわいいママと赤ちゃんのために、おっぱい、おっぱいと頑張っています。
キッチンでは厨房主任がHIS で勉強してきたおっぱいに優しいメニューでの、おいしいフレンチを提供しています。デザートもバターやクリームは控えめです。夜食のサンドイッチとオニギリは夜間、おっぱいを頑張るママの大きな励ましです。サービスさんはおっぱいが出てくる頃さりげなくお変わりを薦めています。
親元を離れて働く学生さんのお母さん代理として相談も受けています。
病院事務はバックヤードとして院内配布物やデーターベースの管理、修理保守点検が上手く行
くよう管理しています。私は現場との橋渡しをします。
10か条の1「母乳育児推進の方針を文章にし、すべての関係職員がいつでも確認できるようにする」を今回のテーマとし、データーベース上で閲覧できるよう「やればできる」で患者様のために頑張って取り組みました。完成したらROMを送る予定です。
ご清聴ありがとうございます。